現代の「お葬式事情」を覗き見る――派遣お坊さんのリアルな舞台裏と、これからの選択
「ディズニーキャストざわざわ日記」や「マンション管理員オロオロ日記」など、現場ではたらく人々の切実な舞台裏を明かす、三五 (さんご)館シンシャの人気日記シリーズ。
その中に『葬式坊主なむなむ日記』という一冊があり、「面白そうだな」と気になっていたところ、先日ウェブでこのような記事を見つけました。
【参考記事】プレジデントオンライン(2026年5月4日配信)
僧侶はオプションサービスに…派遣僧侶が明かす「火葬炉前の読経10分」で終わる"激安葬儀"の中身
この記事によると、最近主流になりつつある格安の葬儀サービスを利用した場合、なんと10万円弱から行えるプランもあるそうです。
ただし、これらの基本料金には「僧侶への御布施 (オプション)」や「火葬費用 (必須)」が含まれていないことが多く、実際には別途費用がかかる仕組みになっています。
東京都内の「火葬費用」をめぐる現実
お葬式において火葬費用は絶対に外せない必須コストですが、現在、東京都内では約9万円かかり、これが「高すぎる」と各所で議論を呼んでいます。さらに、近々また値上げされるのではないかという観測もあるようです。
しかし、以下の別の記事をあわせて読んでみると、火葬場を運営する側にも私たちの見えない苦労があることが分かります。
【参考記事】
火葬炉の中に入って分かった、火葬場経営を苦しめる「見えないコスト」の正体
炉のメンテナンスや燃料費、高熱に耐える特殊な構造の維持など、「これだけのコストがかかるのなら、9万円という金額も仕方のないことなのかもしれない」と、私も少し見方が変わりました。

派遣お坊さんの舞台裏に見る「プロの工夫」
『葬式坊主なむなむ日記』の著者である派遣僧侶の松谷真純さんは、記事の中で現場のリアルな数字や工夫を赤裸々に描写しています。
「今回のオプション料金は8万5千円で、そのうち私の手取りは3万4千円……」といった、思わず世知辛さを感じる舞台裏。

さらには、火葬炉の前で参列者が焼香している最中、読経をしながら「宗教的な意味は特に無いのだが、時折、派手に引金(いんきん/手持ちのチーンと鳴らす鐘)を鳴らす」というエピソードには、読んでいて思わず笑ってしまいました。
確かに、あの「チーン」という厳かな音が響くだけで、その場の空気が一気に引き締まるものです。宗教的な意味の有無はさておき、限られた10分という短い時間の中で、いかに参列者に満足してもらうか、皆さんそれぞれの持ち場でプロとしての工夫を凝らされているのだな、と感心させられます。
世間の価値観が変わり、形やお値段も多様化していく現代のお葬式。
この記事を読みながら、「さて、私自身のときはどのように見送ってもらおうかな」と、少し前向きに、そして現実的に考え込んでしまいました。
この派遣僧侶・松谷真純さんのコラムは、他にも興味深いお話がたくさん掲載されています。ご興味のある方は、ぜひ以下のリンクから覗いてみてください。
◎ 著者コラム一覧:PRESIDENT Online (プレジデントオンライン) 松谷 真純 (派遣僧侶)

